天上の都は翼を持つ彼ら以外をよせつけず、国は更にその勢いを増しました。
王は自分の城から見える地上の国々を見て言います。
「見よ、私は神の横まで来た。私はここより見えるすべての国を
神のごとく我が手の中におさめるだろう。」
しかしこの言葉は神の耳にも届きました。
怒った神は、彼と彼の民の翼を片方、もいでしまいました。
翼を失った彼等は、飛ぶことが出来なくなってしまったので、
天上の都より一歩も外へ出られなくなってしまいました。

神は言います。
「あなたたちの翼は私が預かりましょう。
いつかあなたたちがこの片翼を見つけることが出来たなら、私はそれを返しましょう。」
民は王の助けを求めて城へ集まりましたが、なぜかその日から、城の扉は堅く閉じられたまま、
王もその家族も姿を消してしまったのでした。

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