昔、ある国で、角の生えたお姫様がお生まれになりました。
王様は、生まれたお姫様を見て、ひどく怒り、彼女を冷たい地下室に隠しておしまいになりました。
それからというもの、お姫様は上にぽつんと空いた、小さな窓の鉄格子からこぼれ落ちる
外の光だけを眺めて育ちました。
みんなすぐにお姫様のことを忘れて、彼女に会いにいこうとはしなかったので、
お姫さまの歌声の清らかさも、黄金色の髪の毛の見事さも
お姫様がどんなに美しいかさえも、気付かなかったのでした。